( ゚∀゚)小さな祈り。


例によってまたいつもの焦燥が心に宿る。
連れ歩いている愛犬の顔を覗き込む。
愛犬はまん丸な瞳をこっちに向ける。


空を見た。
雲がかかった青空。


ふとハタチ手前の頃の自分を思い出した。
母が私に着物をあつらえるのかどうかどうか訊ねた。
私は即座に断った。


ある時祖母が居る前でまた母が同じ事を訊ねた。
私はそこでも同じ答えを言った。


すると祖母が「●●ちゃんは背ぃも高いし色も白いし似合うよ」と言ってくれた。
そんな事言ってくれるのは祖母だけであった。


心がぱあっと明るくなった。
祖母はナニかにつけて誉めてくれ心配もしてくれる。


「もっと食べんなアカンよ。」
「おかーちゃんの若い頃にそっくりや。別嬪さんや。」


コンプレックスの塊で自分の見目形に全くと言ってイイほど自信がない。
他人さんに容姿の事で誉められることなんぞ滅多とないのであるが。
スキな男性に誉められるよりもくすぐったい気分になる。


また空を見た。
さっき見た雲はもうどっかに行ってしまっている。
空を見ながら「ばあちゃん早くよくなってなあ。」と祈った。


撤収。